小さな出来事の積み重ねを語るブログ

2010年8月2日月曜日

衰退していく日本

今の日本は繁栄を謳歌している。年収が億単位だろうと300万だろうと生活の質に大きな違いはない。どんな人でも同じようなサービスを受けることができる。公共のインフラは誰でも使えるし、ユニクロのように質のいいものが格安で購入することができる。唯一の違いはブランド品や大きな家を持てるかどうかだ。それでも生活の質に差はほとんどない。しかしこれが貧富の差が大きい国になるとそうはいかない。富める者は贅沢三昧の生活を送り、逆に貧しい人は屋根もない苦しい生活を強いられる。特に貧しい人は悲惨なもので、衛生状態の悪い水しか使えないし、明日の食べ物の心配もしなければならない。さながら大震災で被災した人の生活を一生続けていくようなものだ。このように全世界の視点から見ると、日本というのは如何に恵まれた国かがよくわかる。ここまでの道のりは朝鮮戦争の特需から端を発し、高度経済成長、バブルを経てきた。団塊の世代以下の人たちは、このような成功の連続を目の当たりにしてきた。そして今後もこのような生活が続くのを当たり前のように思っている。

しかし残念ながら、将来の日本は暗い方向へ向かっていると言わざるえない。少子高齢化から始まる諸問題をはじめ、激変する世界情勢による影響、制度疲労が見え始めた政治形態など、枚挙の暇もない。どれをとっても避けられない問題だ。逆に今の日本にとって強みになるものは無きに等しい。ということは、日本は衰退に向かいつつあるのだ。そして貧富の差が大きくなり、万人が不満のない生活を送ることが出来なくなるだろう。上記にある年収の多寡の違いはあっても平等な暮らしというものは、完全に過去のものになる。何割かは路頭に迷う人が出てくるだろう。

そんな衰退は将来の話で、今は関係ないだろうと反論する人が出てくるかもしれない。しかしそれは見当違いというもの。日本の衰退の兆候はすでに見えはじめているのだ。それは先月の参院選挙での与党の敗北がある。参院で過半数が取れなくなったことにより、完全なネジレ国会になったのだ。これは将来の日本を見るうえで、致命的な出来事である。今の世界を眺めると、経済や政治のな動きというものは非常にスピーディーに展開している。その流れをただ傍観しているだけだと、あっという間に置いていかれてしまうほどだ。そんな世界情勢の中で、ネジレ国会で政策が止まってしまうという事は、日本にとって残念なことなのだ。現に菅首相は何も手を打てないでいる。民主党がこのままでいると、最悪3年間は何も進展しない事になる。

2010年度の参院選挙で与党敗北という事実は、将来にわたる日本史では小さなことかもしれない。しかし盛衰という点でみると、重要なターニングポイントになる。それだけ大きな出来事なのである。だがその事実に気づいている人は、日本を見渡すとほんの一握りしかいない。多くの国民は、変わらないと思われるであろう日常をのほほんと過ごしている。この非常事態なのに残念なことだ。おそらく有識者が強く投げかけても無駄であろう。このまま日本は衰退していくのを黙って見るしかないのだろうか。

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